報告発表のスライドはこちらから
国際学部国際学科 4年 中村 晴季
【実習の成果】
今回の実習を通して現地ローカルNGOの実際の活動内容と、周辺化された人々の生活の実態に対する理解を大きく深めることができた。私は実習の中で、目標を達成するために、現場を目でみて、実習先の団体の方や、訪問したコミュニティに暮らす住民、学校の先生、エステイトマネージャーからのお話を聞くだけでなく、その中で自分が興味を持った事柄を質問することを意識した。学校やエステイトオフィス、現地のローカルNGOであるNavayugam
Social Development Foundationを訪問した際は、事前に台本を準備し、インタビューのような形で、学校や住民の生活の実態についてお話を伺った。茶園内のコミュニティを訪問した際は、台本通りのインタビューというより、現場で見聞きしたものに対して、柔軟に聞き込みを行った。実際にコミュニティに行って見聞きするだけでなく、様々な立場の方からお話を伺うことで、スリランカの茶園プランテーションに暮らす人々の実態を、把握することができた。また、実習の活動時間だけでなく、移動時間や食事などの普段の生活の中で、同団体の方と積極的にコミュニケーションを取ることを意識した。その中で、今までのプロジェクトや新しく始まるプロジェクトの具体的な活動内容、茶園内の問題や課題、活動の障害などについて、見識を深めることができた。今回の実習では、同団体で現行プロジェクトがなく、実際のプロジェクトの活動に同行することはできなかったが、コミュニティや学校、農園オフィスに訪問し、事前調査する中で、国際協力の分野でローカルNGOの活動が実際にどのように行われるのか、とらえることができた。
【学んだこと】
これまで授業の中で国際協力における脆弱層について、勉強をしてきたが、実際に脆弱層の方のコミュニティに訪れ、そこで様々な立場の人から話を伺ったことで、脆弱層を取り巻く障害の複雑さと支援の難しさについて、実感することができた。農園マネージャーの方は、言葉ではプランテーション農園内に暮らす住民の暮らしを案じ、外部から来た私たちにも非常に協力的だった一方で、学校以外でのプロジェクトや、私たちがコミュニティを見学することに消極的であった。また、農園オフィスに農園ワーカーは入ってはいけないなどのルールがあったり、紅茶工場が厳重に有刺鉄線で囲まれていたりと、植民地時代の名残が感じられる部分も数多く残されており、歴史も障害となっていることがわかった。こういった状況にある人々に対して、国際協力はどのようにアプローチしていくのか、授業で今まで習ってきたことが、実際に意味していたことを痛感した。
↑上へ戻る
国際学部国際学科 3年 溝渕 悠乃
【実習の成果】
まず目的に対する成果としては、良いものが得られたと考えている。一つ目の目的として、途上国で暮らす人びとの様子を知るということを上げていたが、これはコミュニティの訪問において大いに成果を得ることができたと考える。途上国で暮らす人びとの生活に関して、写真や文字で事実としての状況を理解してはいたが、実際にコミュニティを訪問し、自宅の中を見たり、住民に質問したりしたことで、どんな仕事でどれくらいの収益で何を使って誰と暮らしているのかなど、具体的な内容を知ることができた。また、実際に足を運んだことで、コミュニティ内でも差があることを知ることができた点がとてもよかったと思っている。
二つ目の目的として、プロジェクトの対象地の現状を知ることを上げていたが、これに関しても、大きな成果があったと考えている。ごみ捨て場やトイレ、水道の様子と、コミュニティ内の若者や保護者の様子を確認することができ、プロジェクトに対するイメージがより膨らんだと感じている。
【学んだこと】
ローカルNGOで実習を行ったことで、支援をするために、どのような段階や手順で進んでいくかのイメージを以前より、はっきりと持つことができた。現地のことは現地に行ってみないとわからないし、実際にどんなことができるかなどは日本からではわからないので、支援を行う際にローカルNGOは大切な組織であるなと感じた。
↑上へ戻る
報告発表のスライドはこちらから
国際学部国際学科 4年 銘苅 実祐
【実習の成果】
このインターンでの一番の収穫は、「臨機応変な行動」である。できる限り日常で意識してきた、私のモットーともいえるこの行動基準。しかし自分を「仕事」という環境に入れた時、それを忘れてしまいがちになることに気が付いた。その原因は、仕事には組織の規則や従来の手法(学校教育の場合で言うとカリキュラムや先生らの授業の仕方など)があることを知っているため、それがほとんど不可変なものであるということにあった。 始めの2か月ほどは、どのように先生を手伝うべきか戸惑う部分が多かった。例えばあまり先生の言うことを聞けない子のそばに付いて教えるべきなのか、教室全体のアクティビティに同行する形がいいのか、などである。また、児童生徒とのかかわり方も学年とクラスによってレベルが異なってくるため、難しいと感じることも少なくなかった。特に低学年のクラスに入って日本語で話す際には「生徒たちがこれまでに習った文法で」話す必要があったため、「これはまだ習っていないから、この言い方で言って」と言われた時、先生はこれを常に考えながら授業をしているのだと気づき、私にもうまくできるだろうかと不安に思ったことを覚えている。しかし少しずつ授業の流れや教材を見てこの実習で自分がしていることの全体像が見えるようになり、先生に質問しつつうまく授業をまとめることや、生徒たちのレベルに合わせた会話や指導ができるようになったと感じる。
【将来への影響】
海外の一般的に言語としての日本語を教える日本語学校ではなく、学校カリキュラムの中に日本語を取り入れ、教えるという私が知る限りではかなり稀なこの学校で、日本とペルーの間にある文化の違いや、逆に「教育」という分野において共通している部分などを日々発見しながら働くという異文化体験は、まさに「国際キャリア実習」と呼ぶに相応しいものであった。
ラウニオン校での国際キャリア実習を通して、「教師」という仕事にはカリキュラムがありながらも彼ら自身の指導方法は多様かつ柔軟であるべきだということ、そして生徒がいかに「学ぶ」という行為を楽しみ将来へつなげることができるかは教師が担う部分も大きいということを学ぶことができた。海外で日本語を教える機会があればぜひこの期間に考えたこと、ラウニオン校の先生方が持つ柔軟で素晴らしい授業の仕方、改善の余地があること、すべてを自分の経験として賢く活かしていきたい。
↑上へ戻る