国際学研究科は1999年4月に、異なる国家、民族、地域、異文化間の相互理解と共生を実現するためのより高度な教育研究とそれを踏まえた課題解決型の高度専門職業人の養成を目的として設立されました。設立時は、国際社会研究専攻と国際文化研究専攻の2専攻で出発しました。既に7年近くが経過し、国際学研究科は国内外の変化を先取りしつつ、教育研究を充実させてきました。
教育面では、国内外の諸問題を理解する高度な専門知識に加えて、コミュニケーション能力、企画立案能力等の育成に関わる専門科目を体系的に整備し、院生の修士論文指導の充実と併せて、国際学研究科を持続的に発展させてきました。研究面では、これまで多くの研究の成果をあげ、その成果を国内外の学会、著書、論文等で発表し、高い評価を受けています。研究と教育は車の両輪であり、研究の成果を院生諸氏の教育に大いに活かしていることは言うまでもありません。
宇都宮大学は欧米、アジアの26大学と国際交流協定を締結し、教育研究の国際交流を活発に行っています。その中心に国際学部・国際学研究科がいます。国際学研究科はこれら協定校を含む多くの諸外国の大学に院生を派遣する一方で、それらの大学から多くの留学生を受け入れています。このことは、国際学研究科の設置目的である異文化間、地域間相互の理解・共生に関わる教育研究に大いに貢献したと確信しています。
国際学研究科のこのような教育研究に対するたゆまぬ努力は、地球社会の現在と将来に、また多様な文化の理解と共生に強い関心を持って入学してきた院生の知的潜在能力、研究能力を開花させてきました。高い水準の研究成果を世に問うと同時に、既に130名に及ぶ有為の人材を各界に送り出してきました。先輩たちの活躍の場を多少とも紹介すれば、大学教員、国際協力機関、海外進出製造業、商社、金融機関、出版、観光関連企業、行政機関そしてNGO等です。
国際学研究科は、たゆまぬ教育研究の努力によって、2003年9月、国際学系大学院のグローバルネットワークであるAPSIA(国際問題大学院連合)に準加盟を認められました。本研究科の教育研究が世界水準にあることが認められたわけです。国際学研究科は2004年に、市民レベルの国際交流・国際貢献の人材を養成することを目的とした国際交流研究専攻を新たに設置し、更なる飛翔の体制を整えました。
国際学研究科は、貧困、民族対立、地域紛争、宗教対立等の困難な問題の研究に果敢に挑戦し、その研究を踏まえて恒久平和の礎を構築しようと行動する強い意志を持った人材を求めています。国際学研究科はこれらの人材を受け入れ、教育して世界に送り出していくこと、そのことが先輩たちの築いた伝統に新たな歴史の1頁を書き加えることになるのだと考えます。