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授業概要

 国際人権法とは、国連などによってつくられた人権に関する条約や宣言、それを実施するための国際的および国内的な制度や手続きの体系をいいます。

 今日、人権問題は国内にとどまらず国際関係の重要なテーマで、その際、国際人権法をふまえて議論することは不可欠です。日本も国際人権法の影響を否応なく受けており、人権条約の締結、国連機関による人権問題の指摘や勧告、国内裁判所による人権条約の適用などを通じて、日本社会における人権のあり方を変える契機になっています。本授業では、実践的に活用される国際人権法の基本的な知識と理論の全体像を学びます。

学生から

 普通に暮らしているなかでは、国際人権法とはどういうものなのか、実感しにくいのですが、授業を通して、実は、私たちにとって身近なものであるということがわかってきます。特に気にすることもなく見過ごしていたニュースの中に、人権の問題と決して無関係ではないものがあることに気づかされ、メディアが伝える情報の背景を考えられるようになりました。

【写真左】国際社会学科3年 松尾 理穂


 国際人権法の発展の歴史を追っていくことで、その当時の人々の考え方や営みなどが見えてきます。そこから、この法律が生まれた背景を考えることがおもしろいですね。今井先生の演習も履修していますが、授業では基礎的なことを学び、演習では各自がテーマを決め、深く掘り下げていきます。私は、アフリカを例に、女性の人権について研究しています。

【写真右】国際社会学科3年 川島 正恵

教員から

 国際人権法は、NGO活動においても盛んに使われています。例えば、アムネスティ・インターナショナルのような国際的な人権団体は国際人権法を根拠に、各国政府に人権保障・救済を要求します。こうした活動が、国際的な世論を形成していくのです。

 国連の人権機関には、NGOなど市民社会が参加できるシステムができあがっています。国際人権法を根拠に日本国内の人権状況について情報提供、問題提起し、それに対して国連の人権機関が審査し、提起された問題を解決・改善する勧告を出すのです。


 例えば、2001年に、国連の社会権規約委員会が「原子力発電施設の安全性に関わる問題について透明性を向上させ、かつ関係住民に対してあらゆる必要な情報をいっそう公開すること。さらに、原子力事故の防止および事故に対する早期対応のための計画の作成を促進するよう促す」とする勧告を出しました。

 これは、東海村の原子力事故で被ばくした作業員が死亡したことについて、日本のNGOが社会権規約の「健康に対する権利」に基づいて問題提起したことに対する勧告です。福島原発の問題にあてはまるような勧告がすでに10年前に出ていたのです。

 国連への情報提供、問題提起の手続きは比較的簡単で、学生にもできます。授業では、こうした具体的な手続き方法も学びます。国際学部には、国際的な場面で活躍することを希望する学生が多いと思います。私は、人権や平和の問題に関心を持ち、積極的に外に発信できる若い人を育てたいとの思いで国際人権法を教えてきました。

 昨年起きた「アラブの春」では、世界中の若者が民主化や格差是正を要求し立ち上がりました。ネッ ト上でモノ言う権利も、平和的な手段で集会を開く権利も、国際人権法を根拠に主張したのです。


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