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教員インタビュー

心理学への入り口

 私の専門は大きく言えば心理学ですが、その中でも感情心理学とか社会心理学という分野です。人間が社会的な生き物だということを前提にして、人間の心と行動について考えるのが、社会心理学です。そして、感情は、人と人とが影響し合っているときには必ず問題になってくるもので、その感情がコミュニケーション場面でどんな働きをしているかに興味があり、表情と感情の研究をしてきました。

 子どものときから自然や生き物が好きでした。身近にいろいろな生き物がいて、犬、魚、金魚、ザリガニ、蟻、カブトムシ、インコ、鶏、ウサギ・・・同時にではありませんが、かわるがわる飼ったりしましたね。牛がいたこともありました。動物や生き物に興味をもって育ったので、人間の行動を観察する研究がおもしろいと思うようになったのかもしれません。

 生物学を学びたいと考えたこともあるのですが、人間の行動に興味が移っていきましたので、大学では心理学を選びました。生き物を観察するような研究がつづけられたらいいなあと、高校生くらいから考えていたように思います。将来の職業を考えて大学で学ぶ専門分野を選ぶようなことを、今から振り返ってみると意識もしないでしていたように思います。


ファーブルが昆虫の行動の謎を解き明かしていくのが面白く、何度も読み返しました。


大学から大学院

 私は人間科学部という学部に入りました。大学1,2年生のときは専門分野には分かれず、3年生になるときに、心理、教育、社会・人間学の3分野から選択するというシステムでした。ですから、1,2年のときは、心理学とは関係のない、他分野の授業もありました。また、自分の興味で、理学部の生物実験に参加させてもらったり、比較行動学の本を読んだりもしていました。身につきませんでしたが、外国語は、必修の英語とドイツ語の他に、フランス語とロシア語のクラスにも出たりしました。

 その後、3年生になって初めて研究室に所属しました。実験心理学の研究室だったのですが、そこも、様々な興味を持った先輩がいましたので、心理学の中の分野ではありますが、知覚、記憶、動機づけ、発達、人格などに関するいろいろな話を聞くことができました。結局、私自身は、その研究室では誰も取り上げていない「表情と感情」というテーマに興味を持ちました。

 きっかけは、実はよくわかりません。研究室のゼミで、自分が研究したいテーマの論文を紹介しなければならなくなった時にいろいろな本や論文を探していて、たまたま見つけたのです。感情がどういう風に顔に表われるか、表情からどのように感情を判断するか、そういう研究がおもしろいと思ったわけです。星の数ほどある研究の中から、表情の研究が目に留まったのは、もしかすると動物の行動を観察するのが好きだったことと関係があるかもしれません。

 大学院への進学は、研究を続けたいと思っていましたので、ある意味で当然の進路と考えていました。幸い、奨学金をもらうことができましたので、在学中に1年半余り、アメリカ東部の大学で、感情のコミュニケーションの勉強をしました。ちょうど、ゼミで初めて発表した論文の著者が指導をしている大学院がありましたので、そこに行くことにしたのです。当時は手紙を書いて、入学手続きなどを進めました。TOEFLなど各種試験の受験、ビザの取得なども含めて、留学するための形式的な手続きが大変手間のかかることでしたが、その苦労が、国境を越えて他国で学ぶことの最初のハードルだったように思います。

 

左)指導教員と    右)奨学金スポンサーのミーティングでスピーチをしたりしました。


 留学中の勉強は、よく言われるように、多くのリーディングの課題で寝る間もない毎日でしたが、自分の専門に関する内容でしたから、大変ではあっても楽しくやっていたように思います。そこで勉強し、研究した、表情と感情コミュニケーションが、その後の私の研究テーマになり、今でもその研究を続けています。

 

アメリカで 大学周辺の様子


 勉強の話ばかりになりましたが、学生時代は同級生や先輩とよく話し、遊びましたし、旅行が好きでしたので、流行りのバックパック旅行をしたりしました。一人旅が多かったのですが、釣銭をごまかされたり、警察官に追いかけられたりしたこともありました(私が悪いことをしたわけではありませんが)。いろいろな状況に自分で対応しなければならず、このような経験がその後の人生で役に立っているように思います。


    

バックパックでの一人旅


後編へ...

取材協力:中村 真 教員プロフィール

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