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教員インタビュー

異文化コミュニケーション

 日本で英語教師をしていて気付いたことがあります。それは、ただ言葉の意味を教えるだけでは実際に英語を使って人とコミュニケーションできるようにはならない、ということです。英語は世界共通語とされていますが、世界各国の多くの人々が様々な環境や文化を持っている中、コミュニケーションをとるには単に言語だけではなく、その背景になる環境や文化を理解した上で交流しなければなりません。私はそこに焦点をあてて、英語の教授法を考え始めました。

 多くの日本人は、「これは英語でなんて言うの?」とよく聞きますね。しかし、一言で訳せないことが多々あります。例えば、「おつかれさま」は英語で何て言うと思いますか? “Good job, today.” または “Thank you for your effort.” 直訳するとこうなるでしょうか。しかし、実際に職場でこのように言ったら、相手を怒らせるかもしれません。あなたが上司でしたら問題はありませんが、同僚や上司に対して使う言葉ではありません。本当は感謝と労いの気持ちを伝えたいのに、逆効果になってしまいますね。ちょっとした会話やジョークが日本人の言う「おつかれさま」と同じ意味をもつこともあります。どうすれば自分の想いを正しく相手に伝え、また相手の想いを正しく受け取ることができるか、これが私たちが本当に学ばなければならない異文化コミュニケーションだと思います。

授業内容

 私の授業では、実生活のシチュエーションを用いて異文化コミュニケーションでよく起こる問題を取り上げています。

 学生が好きな例を紹介しましょう。ある日本人の男子学生がオーストラリアへ留学して、オーストラリア人の女性を好きになりました。そして彼は彼女に告白をしました。すると、彼女に大笑いされたそうです。彼は「なんで笑うの?」と不思議に思いました・・・。

 日本人は好きな相手に「告白」をしますが、他の文化にはこの「告白」はありません。カナダやアメリカでもボディランゲージと雰囲気で察します。「好きです。彼女(彼氏)になってくれませんか?」などとは絶対に言いません。それはカナダ人に言わせると格好が悪いことです。日本人は普段、曖昧な言葉を使い空気を読みながら生活しているのに、告白する時はストレートですね。カナダ人やアメリカ人は逆です。おもしろいと思いませんか?

 他にも良い例があります。日本人の男子学生がアメリカに留学した時のことです。彼は気になっているアメリカ人の女の子に「クリスマスはどうするの?」と尋ねました。彼女は「家族と過ごす」と言いました。彼は「やった!」と大喜びして、1カ月後の彼女の誕生日にデートに誘いました。すると、「ボーイフレンドと過ごすから無理よ」と断られ、大変驚いたということです。日本人の彼にとっては、「クリスマスを家族と過ごす=ボーイフレンドがいない」、と思い込んでしまったのです。しかし、クリスマスを恋人と過ごすのは日本の文化で、他の国では家族と過ごすのが一般的です。

 授業ではこのように身近な例を取り上げ、「なぜこのような事態が起こったのか」、「どうすれば誤解を防げるか」などを考えてもらうようにしています。世界の文化を比較し、人々の異なる価値観を理解するために、言語や宗教、歴史、社会、世界情勢を学びます。

     

授業で使用しているテキスト / 全てアンドリュー・ライマン単著
(写真左から)"Ethnographic Encounters", "English Intensive Training", "CULTURE STUDIES HANDBOOK", "Raising Cultural Awareness as part of EFL Teaching in Japan"

宇都宮大学 国際学部の魅力

 学生の人数に対して、教員の人数が多いことが魅力です。学生と教員が近く、研究のことも個人的なこともよく話せる関係です。特にゼミが始まってからは、家庭的な雰囲気になりより親しくなります。

 また、留学生もそうですが日本国内からも様々な地域の人々が集まっています。同じ日本人でも異なる文化や言語をもっているので、それもまた異文化コミュニケーションになりますね。

 そして、経験豊富な教員の専門的な授業を幅広く受けられることも魅力です。前編でお話ししましたが、たくさんの選択肢があることは学生にとって有益だと思っています。国際学部の多岐にわたる授業を受けて、自分に向いていることや自分が本当にやりたいと思っていることを見つけられるのではないでしょうか。留学のチャンスもたくさんあるので、ぜひ挑戦してもらいたいです。

受験生へのメッセージ

 “Think differently”という言葉を送ります。自分が生まれ育った社会の慣習だけにとらわれず、自分とは異なる世界のことを想像してみてください。また自分が知っている考えや方法以外にも、色々な考えや方法があることに気付いて下さい。日本人は皆で同じ方法に従いますね。それは安全です。しかし、それが一番いい方法とは限りません。

 例えば就職活動がいい例です。黒い髪で、黒やグレーのリクルートスーツを着て、同じようなエントリーシートを書いて…。これは意味があるのでしょうか? 誰もがこのシステムに疑問を感じていますが、なかなか変わりませんね。でも、私の学生は別の方法をとりました。就職セミナーには行かず、エントリーシートも書きませんでした。志望する会社の担当者へ直接連絡をとり、熱意を自分の考えた方法でアピールしたそうです。そして採用になりました。固定観念にとらわれず、自由な発想で挑戦した結果です。

 “Think differently. Keep your eyes open. Pay attention to details.” これが、私が受験生の皆さんに一番伝えたいことです。

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取材協力:アンドリュー N ライマン 教員プロフィール

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