イベント情報
公開講義「人権×世界×キャリア」
2011年7月5日（火））12 ：50 ～ 14：20
公開セミナー「アフリカの将来を問うー
開発と人権確立をいかに両立させるか？」－エチオピアにおける開発と人権の矛盾を例にー（宇都宮大学）
国際キャリア開発プログラムでは、グローバルマインドを持った職業人を目指す若者を対象に、「アフリカの将来を問うー開発と人権確立をいかに両立させるか？」－エチオピアにおける開発と人権の矛盾を例に－を7月5日（火）宇都宮大学UUプラザにおいて開催いたしました。
エチオピア政府は海外からの開発援助を野党支持者抑圧の道具として悪用し、政府批判を封じ込めています。それにもかかわらず、援助国や開発機関はそうしたエチオピア政府のやり方に、更なる開発援助増額で応えています。この開発援助には、日本の政府開発援助(ODA)、すなわち我々一般市民の税金も含まれています。
エチオピア人の人権弁護士のヨセフ・ムルゲタ氏と、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のアフリカ担当のベン・ローレンス氏を迎えて、それぞれのキャリアについて語ってもらった後、アフリカにおける開発と人権の両立に関する講義を英語で行いました。エチオピアでは近年市民社会が自由に活動できなくなっていること、国連や拠出国はエチオピアのミレニアム開発目標の達成や経済成長だけ注目していますが、政治化された援助については黙認していること、人間は経済的、社会的及び文化的権利だけでなく公民権も必要であり、開発は後者も考慮しなければならないこと、援助が巨大なビジネスになっていることなど話されました。
この講義のために、5月以降HRWの報告書「自由なき開発」等を読んで事前勉強をした国際学部7人が、拠出国の反応、理想的な開発、報道の自由と飢餓の関連性等質問した。講演内容自体も濃いものでしたが、学生が一生懸命英語で意見交換をしていたことが印象的でした。
◆内容：エチオピア政府は海外からの開発援助を野党支持者抑圧の道具として悪用し，政府批判を封じ込めています。それにもかかわらず、援助国や開発機関はそうしたエチオピア政府のやり方に、更なる開発援助増額で応えてしまっています。この開発援助には，日本の政府開発援助(ODA)，すなわち我々一般市民の税金も含まれています。
1985 年、故マイケル・ジャクソンなどが集まって歌った“We are the world”は，エチオピアの飢餓難民救済の活動でありましたが，それ以降もエチオピアは不安定な政情が続いています。現 メレス政権のエチオピアで何が起きているのか，そして我々は何ができるのか，考えてみましょう。
エチオピアにおける援助の悪用に関して，下記をご参照ください。
http://www.hrw.org/ja/news/2010/10/19
※講義は英語で行われます。
◆日時：平成23年7月5日（火）12 ：50 ～ 14：20
◆講師：ヨセフ・ムルゲタ氏（人権弁護士） / ベン・ロレンス氏（HRW・アフリカ担当）
◆プロフィール：
ヨセフ・ムルゲタ氏
エチオピアを代表する人権NGO「エチオピア人権評議会(EHRCO)」の元事務局長。
EHRCOは、およそ20年間、即決処刑、強制失踪、および恣意的拘禁等の問題について調査報告を発表。アディスアベバと南アフリカの弁護士でもあるムルゲタ氏は、2007年7月にEHRCO事務局長に就任する以前、長年にわたりEHRCOの調査団を率いていました。EHRCOは抑圧的な新しいNGO法下での存続に苦戦しています。 この法律は、国外から資金援助を受ける組織の人権活動を禁止するものです。 2009年に新法が成立したとき、EHRCOのスタッフはおよそ80パーセント削減されました。オフィスは家宅捜索され、銀行口座は凍結されました。ムルゲタ氏は、アメリカに政治亡命を要請。彼は、現在ワシントンDCに拠点を置き、エチオピア政府の表向きの「民主主義」の裏にある現実を明らかにする活動を続けています。
ベン・ローレンス氏
ヒューマン・ライツ・ウォッチのアフリカ局調査員として、東アフリカ、アフリカ北東部を担当し、これまで、ザンビア、ウガンダ、ナイジェリア、スーダン南部において調査活動を行ってきた。
ヒューマン・ライツウォッチに勤務する以前は、タンザニア野党の顧問や英国議会の自由民主党外交顧問を務めた。ロンドン大学でスワヒリ語、東洋の歴史学、アフリカ研究において学士を取得。その後、シカゴ大学で国際関係論の修士号を取得。フランス語、スワヒリ語を話す。
◆会場：宇都宮大学 国際学部 大会議室（A棟４階）
◆参加：参加費無料
◆問合せ：宇都宮大学国際学部 yonekawa@cc.utsunomiya-u.ac.jp TEL：028-649-5180
※ヒューマンライツウォッチは、国際キャリア実習Ⅰ（国内インターン）の受入れ先です。
