講師:鈴木忠義氏(東工大名誉教授、日本観光研究学会初代会長)
参加人数: 415名(大学関係者43名、学生330名、行政23名、報道関係者3名 地域・市民・産業界16名)
【要 旨】
1.観光の概念
観光は主体、目的、対象、手段、構成などにより、“旅”、“旅行”、“レクリエーション”に分類されるが、基本は自分の余暇時間とお金を使って、日常では体験できないものや感動を獲得に行くものである。
2.観光の成立と構成(資源性と市場性)
地域の中に市場を呼び込むのが観光開発であり、地域内での“もの・かね・ひと・しくみ(情報)・こころ”の循環作用が地域の活性化を生む。市場性を高めるには、アクセスの改良、誘客宣伝、物産宅送受注などの努力を要す。
3.観光の三主体
観光の三主体とは観光者、観光受地の住民・出身者、職能としての参加者(企業、専門家等)であり、観光産業としては三方よしの近江商人の商い方法が理想である。
4.まちづくりの要件
人間や生き物が摂取と排泄を繰り返しながら身体を形成していくのと同様、まちづくりは少しずつ地域内に観光資源の蓄積を図っていくことである。
文明軸をタテに文化軸をヨコにとると下図のような相関がある。
文明は手段であり、それをどう働かすかによって文化が生まれる。
5.先進型と途上国型
観光には先進国型と途上国方があり、先進国型は外客国民を同等視し、観光客は単独行動に対し、途上国型は外貨獲得を目的として、観光客は集団で行動をとることが多い。
6.まとめ
観光開発は、まちづくりの総仕上げである。