カリキュラム - 地域の大学連携による国際キャリア開発プログラム

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国際キャリア実習

平成29年度春期国際キャリア実習生の報告・発表内容

1. KURATA PEPPER(カンボジア)

   国際学部 国際社会学科 3年 田畑 達也

  

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【学んだこと】

「国際協力がしたい」と志望理由書に書いて入学したが、実際に現場に飛び込み、カンボジアの農業をよくしようと奮闘されている多くの方に会う中で、私自身の無力さを痛感した。国際協力・開発援助の場において最前線で活動するのは、農業や工学などの手に職があり、専門知識を持つ者であるということに気づいた。その方々を前にした時、私達はなにもできないということに気づいた。国際協力を学ぶのは必要なことだが、もう一本の柱として、なにかの専門的な知識を持っておく必要がある。私は無力だった。カンボジアでは、零細企業の社主である倉田氏に対して、企業規模が比べ物にならない大企業から派遣された駐在員が頭を下げている場面を多く目にした。倉田氏は25年カンボジアで暮らしている為、現地の文脈を理解しているし、多くの情報を持っている。この「データ化できない情報」こそが、社会では重宝されるのだと学び、データ化出来ない情報を得ることができる人材にならなければいけないと感じた。また、いつも理屈で固く物事を考えるのではなく、まずは行動してみるという姿勢や、直感を大切にする姿勢が新しいアイデアを産み、それが新しい事業を産み、成功に導くのだということを倉田氏と行動を共にする中で学んだ。私の価値観が多く揺さぶられた実習であった。

加えて、実習先のカンボジア人スタッフとの交流の中で、先進国から来た私の何気ない一言で、彼らに対して自分たちが「先進国より富んでいない開発途上国」の人間であるということを自覚させてしまう危険性があることを体感した。授業で習っていたので頭では理解していたつもりだが、悪気のない一言で相対的な貧しさを自覚させてしまうことがあるのだと自身の失敗を通して学んだ。

【将来への影響】

具体的には、海外に出ていくチャンスが多いのは総合商社だろうかと思っていたが、様々な業界・業態の企業で海外に行くチャンスはあるのだと知った。また、多くの情熱ある社会人の方と交流させて頂いた中で、これからの社会(AIの台頭、少子高齢化の影響が出てくる時代)がどのようなことを学生や若者に求めているのかを学んだ。キャリア選択に関しては、社会で求められることや商いの幅広さ、一次情報の大切さはじめ多くのことを学び、本当に大切な本質は「どの会社か」ではなく、「何をしている会社か」であると学んだ。就活でも、様々な人との対話を一期一会として大切にし、自分の中の価値観だけでなく多様な価値観に触れる中で惹かれる企業を選んでいくべきなのだと思うようになった。

なにより、数多くの第一線級の社会人の方々との交流を通じて、たくさんのモデルケースと出会うことが出来た。彼らの姿を意識してこれからの2年間の過ごし方を考えなければならない。

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2. アンコールクッキー(カンボジア)

   国際学部 国際社会学科 4年 本田 みのり

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【学んだこと】

    毎朝のスタッフミーティングでは使用言語がクメール語だったが、前日の売り上げ品の発注、
   最近起きた問題、休日を2日間いただいたことへのお礼の言葉(通常は週に1回であるため)などが
   主な内容だった。スタッフリーダーの方が、ミーティング後に日本語に翻訳して私に内容を教えて
   くれた。ミーティングの様子からは、スタッフ一人ひとりが自分自身の意見を持ち、そのミーティ
   ング内で共有して改善につなげようという姿勢が垣間見えた。社員同士堅苦しく接することなく、
   気軽に提言できるような雰囲気をつくっていたので、風通しの良い会社であると感じた。    

お客様の大半が日本人観光客であるため、接客の際スタッフは日本語を使用している。しかし
あくまでスタッフマニュアルに沿った話し方のため、お客様から唐突に質問(特にマニュアルに載っ
ていないような質問)をされると、うまく対応できないという状況があった。また、スタッフの中に
は日本語の発音(例えば、数字の9や10)がはっきり区別できず、お会計の際にお客様が何度も聞
き返すことがあった。そのためスタッフマニュアルを見直し、接客の際お客様から質問された内容
を適宜メモして保管するなどして、それをもとにマニュアルの改訂版を作るための材料にしては
どうかと思った。
     

また、休憩時間(2時間)では昼食をとったあと、男女別の寝室で休憩終わりまで寝るという時間
もあった。暑い国だからこそできる休憩の取り方だと感じた。日本では昼食をとる時間はあっても
昼寝をする時間はほんのわずかなので、最初は驚いたが、慣れていくうちに午後から頭をすっきり
させて仕事をすることができたので、とても良い方法だと思った。

【将来への影響】

今回の実習では、スタッフとのコミュニケーションでクメール語を使う機会が多かった。私として
は英語や日本語よりも、クメール語を用いるときのほうが、より親密性を感じた。その国の母国語を
積極的に用いることが、スタッフとの信頼関係を築くという意味では、外国で働く際の第一歩ではな
いかと思った。
 また、ハガキコーナープロジェクトのリーダーになったことで、スタッフにプロジェクト概要
(目的や意義、必要なもの等)を説明することの難しさを実感した。その他にも、ステークホル
ダー整理やタスク落としも、プロジェクトを進行する上では重要な位置を占めていることを知っ
た。サプライヤーとの連絡が私にとっては今回難しかったが、販売値段や利益分配を決定するため
には不可 欠な要素だと感じた。
 将来、グループで何らかのプロジェクトを行うことになると思う。その際、それぞれに与えられ
た役割を遂行し、かつそれらを管理する体制をつくることの大切さを、この機会を通して学ぶこと
ができたのは、私にとって非常に大きいものとなった。
 そして、私はカンボジアで働くことを考えているので、今回の実習で、実際にカンボジア人と働
くとどのような雰囲気なのかを身をもって体験することができたので、行ってよかったと思ってい
る。特に、真面目すぎず且つふざけすぎない程度にスタッフどうし笑顔の絶えない環境だったの
で、居心地がよかった。

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3. Earth and Human Cooperation(エチオピア)

    国際学部 国際社会学科 3年 渡辺 早希

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【学んだこと】

今回の水技術機構(EWTI)研修運営管理能力強化プロジェクトでは、一企業から専門家として派遣されている職人気質の方から、開発コンサルタントの中でも北詰総括のように全体をまとめる方、技術専門家でありながらもコンサルタント業務を行う、ある種マネジメントと職人の間のような役割を担う方など様々な立場の人がかかわっているため、一つのチームがどのように機能しているのかということを見るためには、今回のインターン先は非常にいい機会であった。職人気質な技術専門家と、ソフト面でプロジェクトを支え人、それらの良さがうまく組み合わさった時に初めて、日本人同士でもお互いのニーズがわかり、そして現地の人にも必要な活動を行うことができるのだということを感じた。そしてそのためには、わからないことはお互いにプロジェクトを進める中できちんと確認しあうこと、そしてマネジメント目線で考えるならば、専門的な技術のことはわからなくてもプロジェクト全体を見た中で、何が必要かといったニーズをしっかりと把握することが大事であるのだということを学んだ。

また、現地のスタッフの中で組織としての共通のビジョンと自覚を芽生えさせることや実践経験により自信をつけることといった、今目の前の組織にとって必要だということがわかっていても、一般的に日本人が考えるレベルと同じレベルで現地の人に要求することが、様々な背景により難しいことがあるのだということや、そのためにどのようにして、彼らのインセンティブを上げていかなければならないのかといった、日本で普通に仕事をしていたら考えることのできない問題について具体的な何かができたわけではないが、そのような状況について考えることができたことだけでも自分にとっては大きな学びであった。

【将来への影響】

今回、自分の将来のロールモデルになるであろう北詰総括のすぐそばで活動している姿を見て話して、プロジェクトに関することから、人生観まで様々なことを吸収することができたこと、また、現場で自分たちの取り組んでいる仕事にやりがいを感じながら働いている大人たちからお話を聞く機会がたくさんあったことで、将来、自分自身も国際協力・開発の現場で働きたいのだという気持ちを再確認することができた。一方で、自分にはまだ、現地の人たちにとって、どのような分野で貢献していけるのかといった明確なビジョンや軸は確固たるものがない。いろんな人の話を聞く中で、同じプロジェクトに関わり、国際協力・開発分野で働きながらも、そこに至るまでに同じ道を歩んできた人は一人もおらず、100人いたら100通りのたどり着き方があるのだと思った。そういう意味で、キャリアを考える上でのいくつもの通り道を今回の実習の中では見ることができたということができる。これからもそれらの道を広げていくと同時に、だからこそ、自分もこれから多くのことを経験し、失敗を恐れず、とりあえず飛び込んでみること、そして自分の決断に自信をもって一つの軸を突き進んでみることをこれから大事にしていきたい。

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